材料別細菌検査の進め方・8
膿,分泌物,穿刺液の検査法
播金 収
1
,
鷲津 良道
2
,
山中 喜代治
3
,
増谷 喬之
1
,
小栗 豊子
4
,
佐久 一枝
5
,
三輪谷 俊夫
6
Osamu HARIKANE
1
,
Yoshimichi WASHIZU
2
,
Kiyoharu YAMANAKA
3
,
Takayuki MASUTANI
1
,
Toyoko OGURI
4
,
Kazue SAKU
5
,
Toshio MIWATANI
6
1奈良県立医科大学附属病院中央臨床検査部細菌検査室
2京都府立医科大学附属病院臨床検査部血清検査室
3大手前病院中央検査科細菌検査室
4順天堂大学医学部附属順天堂医院中央検査室細菌検査
5東京都立駒込病院臨床検査科細菌検査室
6大阪大学微生物病研究所細菌血清学部門
pp.934-941
発行日 1982年8月15日
Published Date 1982/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911618
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はじめに
膿,分泌物,穿刺液の検査に際して留意しなければならないのは,広範な検査材料から多岐にわたる病原体を検出しなければならないことである.細菌はいうまでもなく,真菌,ウイルス,寄生虫,原虫の類まで推定し,検査を進めねばならない.しかし,それらの検査法のすべてについて記述することは,限られた紙数において不可能なことである.したがって今回は,細菌および真菌に関して材料別に記述し,分離頻度の高い菌種の検査法について触れたい.
膿,分泌物,穿刺液には開放性病巣由来のものと非開放性病巣由来のものとがある.前者は皮膚および粘膜などの創部膿,眼由来の膿,耳由来の外耳炎や中耳炎などの膿であり,後者は深部組織における膿瘍由来の膿,副鼻腔や上顎洞内由来の膿,関節液,胸水,腹水などである.分泌物は開放性病巣由来の膿に準じて検査を行い,穿刺液は非開放性病巣の膿に準じて検査を行う.
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