材料別細菌検査の進め方・4
糞便の検査法
山中 喜代治
1
,
播金 収
2
,
鷲津 良道
3
,
増谷 喬之
2
,
小栗 豊子
4
,
佐久 一枝
5
,
三輪谷 俊夫
6
Kiyoharu YAMANAKA
1
,
Osamu HARIKANE
2
,
Yoshimichi WASHIZU
3
,
Takayuki MASUTANI
2
,
Toyoko OGURI
4
,
Kazue SAKU
5
,
Toshio MIWATANI
6
1大手前病院中央検査科細菌検査室
2奈良県立医科大学附属病院中央臨床検査部細菌検査室
3京都府立医科大学附属病院臨床検査部細菌血清検査室
4順天堂大学医学部付属順天堂医院中央検査部細菌検査室
5東京都立駒込病院臨床検査科細菌検査室
6大阪大学微生物病研究所細菌血清学部門
pp.466-475
発行日 1982年4月15日
Published Date 1982/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911529
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
保健所や公衆衛生研究所での糞便検査が伝染病,食中毒などの集団発生を対象としているのに対し,病院の臨床細菌検査室では,そのほとんどが散発例の腸管感染症の原因菌検索を目的としている.このことから特定の目的菌種を推定することが難しく,おのずから使用培地の種類も多くなる.細菌検査に従事する人員が少ないこと,多くの培地を使用すると費用が高額になることなどの理由によって,個々の病院の事情に合わせて目的菌種を限定している施設も少なくない.しかし,法定伝染病菌以外の菌種による感染症が増加している現在,百日一様の培養検査では検出できない菌種もあり,原因究明に役立たない場合も決して少なくない.
病院の検査室の利点はベッドサイドの検査ができることである.検査担当者がやる気さえ起こせば,患者の臨床症状の把握,新鮮な材料の観察など,いろいろな情報を集約して目的菌種を推定でき,的確な検査の方向性を決めることができる.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.