材料別細菌検査の進め方・2
結核菌(その他の抗酸菌を含む)の検査法
鷲津 良道
1
,
播金 収
2
,
山中 喜代治
3
,
増谷 喬之
2
,
小栗 豊子
4
,
佐久 一枝
5
,
三輪谷 俊夫
6
Yoshimichi WASHIZU
1
,
Osamu HARIKANE
2
,
Kiyoji YAMANAKA
3
,
Takayuki MASUTANI
2
,
Toyoko OGURI
4
,
Kazue SAKU
5
,
Toshio MIWATANI
6
1京都府立医科大学附属病院臨床検査部細菌血清検査室
2奈良県立医科大学附属病院中央臨床検査部細菌検査室
3大阪・大手前病院細菌検査室
4順天堂大学医学部付属順天堂医院中央検査部細菌検査室
5東京都立駒込病院臨床検査科細菌検査室
6大阪大学微生物病研究所細菌血清学部門
pp.202-211
発行日 1982年2月15日
Published Date 1982/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911485
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結核はなやかなりし昭和20年代までの抗酸菌検査では,結核患者から結核菌を検索することが主な目的であった.しかし,結核に対する化学療法剤の開発・普及と衛生行政の目覚ましい成果によって若年者層の結核患者は激減したため,臨床細菌検査では一般細菌検査が重要視され,抗酸菌検査は軽視される傾向にあると言える.果たして,これでよいのであろうか.
若年者層の結核患者は確かに激減したが,老人結核はいっこうに減少していないばかりではなく,悪性腫瘍の陰に隠れて重症な老人結核が見逃されてしまい,死後の病理解剖によって"真の死因は結核であった"という症例が増えている.一方,細菌分類学・病原細菌分離培養技術の進歩により,結核菌以外の抗酸菌感染症が多数報告されるようになってきた.このような現状を踏まえて,抗酸菌感染症の重要性をもう一度評価し直さなければならないと考える.
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