新しいキットの紹介
エンザイムイムノアッセイによるTBGの不飽和サイロキシン結合能測定の基礎的検討
泉倉 康男
1
,
清水 静夫
1
,
白井 祥子
1
,
三村 幸一
1
,
槇村 博之
1
,
松岡 瑛
1
,
福地 稔
2
1兵庫医科大学病院中央検査部
2兵庫医科大学RIセンター診療部
pp.1525-1528
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911421
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はじめに
血中ホルモンの測定には,現在ラジオイムノアッセイ(RIA)法が広く普及するに至っている.このRIA法は標識物にラジオアイソトープ(RI)を使用するため,測定に際して特殊な機器や設備が必要であり,また環境汚染の問題から廃棄方法にも細心の注意を払わなければならない.更に,RI取り扱い者の被曝線量など種々の制約を受ける欠点を有している.このためRIA法に代わる方法として.標識物に酵素を用いたエンザイムイムノアッセイ(EIA)法が開発されつつある.筆者らは既にEIA法による血中インスリン1),サイロキシン(T4)2),トリヨードサイロニン(T3)3)の測定について報告を行ってきた.
一方,甲状腺機能検査法の進歩に従って,ホルモンレベルそのものの動態もさることながらサイロキシン結合蛋白質(TBP)の変動が注目されるようになり,TBPの中でも甲状腺ホルモンとの結合において最大部分を占めるサイロキシン結合グロブリン(TBG)に関しては,RIA法で直接測定が可能になってきている.
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