新しいキットの紹介
Dip slide法による尿中細菌簡易測定キット"Urotube"Rocheの検討
藤本 英生
1,2
,
丸山 博巳
3
1日本ロシュ研究所・微生物学化学療法部
2現在帝京大医学部
3日本ロシュ研究所室
pp.834-841
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909455
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緑膿菌選択培地をもつDip-slide法を使用した尿中細菌簡易測定キット"Urotube"Rocheの機能を検討した.総細菌数測定用のSide 1上の生育数は,簡便法ながら,使用した10菌株については,従来法である平板混釈法での生菌数と高い相関を示し,特に汚染尿と感染尿の診断に重要な104,105 cells/mlの点においては従来法と良く一致する結果を得た.またそのロット内,ロット聞の再現性も良好であった.グラム陰性菌選択性をもつSide 2,緑膿菌選択性をもつSide 3の出現菌数は低下するが平板混釈法との相関は高く,培地ならびにコロニーの色調変化とともに,汚染菌の推定のための定性試験として十分機能しうる.試験者による判定の個人差も診断に支障とならない範囲であり,製品の安定性も有効期限内で何ら変化はみられなかった.
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