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血清希釈を必要としないMBLプレートによる免疫グロブリン定量法の検討
青木 紀生
1
,
出田 修
1
1社会保険中京病院臨床病理
pp.842-845
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909456
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はじめに
血清タンパク成分のうちで臨床的に問題とされる成分は現在のところ免疫グロブリンと補体で,そのうちでも免疫グロブリンはIgG,IgAおよびIgMが,また補体は第3成分(β1C/A) tsよび第4成分(β1E)が対象となる.
個々の血清タンパク定量法としては免疫学的沈降反応を応用した方法が広く行われており,なかでも抗体を含有するカンテンゲル,デンプンゲル,ポリアクリルアミドゲルなどの支持体内を拡散させ,沈降反応を観察する免疫拡散法(immunodiffusion method)が普及している.本法に用いられる支持体は均一な孔を有し,血清タンパクと吸着反応あるいは非特異的沈殿反応を起こさず,しかも透明であるものが望ましいことから,一般にはカンテンゲルが用いられている.カンテンゲルによる免疫拡散法には,試験管内単純免疫拡散法(Oudin法1))と平板内単純放射状免疫拡散法(Mancini法2),Fahey法3))があり,それぞれの原理に基ついた免疫グロブリンの定量法が考案されており,その検討成績については既に報告した4,5).
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