研究
集細胞法を用いたLE細胞検出法
清水 進
1
,
秋山 雄一
1
,
樫村 聰夫
1
,
溝呂木 ふみ
1
1東京慈恵医大第2内科
pp.527-530
発行日 1976年5月15日
Published Date 1976/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909370
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緒言
LE細胞は1948年HargravesらによりSLE患者の骨髄穿刺液中から発見された1).翌1949年Hargra-vesは,LE細胞は白血球とSLE患者の血清とをinvitroで温置したときにも生ずることを発表した2).以後LE細胞の診断的価値が重要視され,その検出法に関し多くの方法が考案されている3〜5).その代表的なものが凝血法とヘパリン血法であるが,前者は血球が破壊されて標本がきたなくなり,核貧食像との鑑別に注意を要し,後者は検出率が低いなど問題点が多い3).Duboisらはヘパリン血法とrotary法を組み合わせて,陽性率が高くしかもきれいなLE細胞の標本を作る方法を発表している4).
LE細胞の陽性率を高める重要な条件は,LE因子の作用を受けやすいように白血球に傷害を与えることであり,Duboisらのrotary法はこの点で優れている.一方,LE細胞の検出を妨げるものは,白血球層塗抹標本に多数存在する成熟好中球と混入した赤血球である.これらを除去してLE細胞を分離蒐集できれば,更に高い検出率と確実な細胞形態学的診断が得られることになる.
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