技術講座 血清
SLE患者の抗核抗体の検出法
浅川 英男
1
,
清水 初子
1
1東京医科歯科大学検査部
pp.753-757
発行日 1980年9月1日
Published Date 1980/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202126
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1948年Hargraves1)によって全身性エリテマトーデス(SLE)患者の骨髄血の中に特異な形態をした細胞が発見され,LE細胞と名付けた.これは結合織疾患における自己免疫現象を知る第一歩となったのである.その後このLE細胞現象を引き起こすためには,①LE因子,②細胞核,③多核白血球,④補体の四つの成分が必要であることが明らかとなった.このうちLE因子はSLE患者血清を電気泳動法,イオン交換樹脂を用いたクロマトグラフィー,超遠心法などにより,γグロブリン,ついで7Sガンマグロブリン,すなわちIgGに存在することが分かった.これが今日抗核抗体と呼んでいるものである.
抗核抗体はその後の研究の進展に伴い,単に免疫グロブリンIgGに属するものばかりでなく,IgMIgA,IgDに属するものもある.また抗核抗体の対応する抗原は表1に示したように多くのものが存在することが明らかとなってきた.また,SLEに出現する抗体を表2にまとめた.現在,最も関心が持たれているのは,①抗核抗体と疾患との関係,特にその特異性,②抗核抗体と罹患臓器との関係,③疾患の活動性と抗核抗体の関連性,などである.以下抗核抗体の検査法を以上述べたことに触れつつ述べてみたい.
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