新しいキットの紹介
免疫拡散板による血清ビタミンA結合タンパク測定法の検討
宮谷 勝明
1
,
高畑 譲二
1
,
福井 巌
2
,
金田 吉郎
3
1宇治黄檗病院臨床検査科
2京都府立医大病院臨床検査部
3関西医学検査センター
pp.431-433
発行日 1976年4月15日
Published Date 1976/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909346
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緒言
レチノールバインディングプロテイン(ビタミンA結合タンパク)は,金井ら1)によって初めて人血中から分離,精製された,ビタミンAの血中輸送に特異的に関与するタンパクである.Smithら2,3)によれば,肝炎の経過観察に有用であるだけでなく,肝硬変症,慢性活動性肝炎などの肝細胞障害時にも著明に低下するという.更には慢性カドミウム中毒,イタイイタイ病4,5)などについても注目されている.
測定法としては放射性免疫測定法2,6),一元平板免疫拡散法7)などが用いられている.これらの測定法はそれぞれ特徴を有するが,最近,一元平板免疫拡散板であるMパルチゲン,ビタミンA結合タンパクがBehringwerkeによって開発された.著者らはこの拡散板を用いて行う場合の測定条件について吟味をするとともに,併せてこの拡散板を用いて健常成人(男子30例,女子30例計60例)の値をも測定したので,その成績を報告する.
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