細胞診セミナー・3
細胞診スクリーニング—観察と判定の仕方
浦部 幹雄
1
,
高橋 正宜
2,3
1中央鉄道病院中央検査室細胞診室
2中央鉄道病院中央検査室
3杏林大・病院病理部
pp.1445-1449
発行日 1975年12月15日
Published Date 1975/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909215
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1 食道ブラシ(中央鉄道病院出題)
司会(浦部) それでは第1例,鉄道病院の食道ブラシの症例で,まず主治医の大塚先生に臨床経過の紹介をお願いします.
大塚(俊通,中火鉄道病院胸部外科,医師) この患者は,1970年ごろから悸肋部の疼痛と胸骨部の不快感がありました.胃の透視と前後5回の食道鏡をやりまして異常なかったのですが,1973年の食道鏡所見で,食道と胃粘膜の移行部に潰瘍を認めまして,そこで擦過細胞診をやり,その時の報告はクラスⅢcということです.更に経過を見まして,再度食道鏡をやった時に問題になった細胞が見られたわけです.臨床的には潰瘍の治療を行ったわけですが,どうも潰瘍は治らず,かえって拡大していくような感じがしました.手術をした理由は,一つはそういう難治性の潰瘍というものは,外科的に手術すべきであるということの意味合いです.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.