特集 臨床検査の達人になる!
臨床検査の読み方・すすめ方
②生化学スクリーニングの活用の仕方
松尾 収二
1
1天理よろづ相談所病院 臨床病理部
キーワード:
採血
,
絶食
,
グルコース
,
中性脂肪
Keyword:
採血
,
絶食
,
グルコース
,
中性脂肪
pp.796-799
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100427
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Case
LDH高値のため長期フォローされた1例
患者:50歳の男性.
家族歴:父が胃癌にて55歳の時に死亡.
現病歴:数日前より疲労感があるため当院受診.血液検査にて乳酸脱水素酵素(LDH)が450 IU/l(基準範囲100~225 IU/l)と高値であった.他の検査データには明らかな異常はみられなかったが,主治医は悪性腫瘍の存在を考え,胸部X線単純撮影,超音波検査,CT, MRI,胃・十二指腸および大腸内視鏡を実施した.最終的にはPETも実施された.
しかし,いずれにも異常がなかったため,検査室に相談があり,LDHアイソザイム検査(電気泳動)を行った(図1).その結果,LDHに免疫グロブリンが結合して半減期が長くなり高値になっていることが確認された(J1).受診から半年後であった.
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