総説
副甲状腺機能検査
折茂 肇
1,2
1都立養育院付属病院内分泌科
2東大・老年病
pp.837-845
発行日 1974年8月15日
Published Date 1974/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908627
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副甲状腺機能検査法としてはCa,Pその他の物質の代謝を用いる方法が数多く知られているが,このことは一面本検査法にはきわめてすぐれた方法がないことを示唆しているとも考えられる.すなわち従来の方法はほとんどすべて間接的なものであり,副甲状腺ホルモンが骨,腎その他の組織に作用した結果生ずる代謝上の変化を利用して副甲状腺機能が亢進しているか減弱しているかを判定しようとするものである,最近副甲状腺ホルモンのラジオイムノアッセイが可能となり血中の副甲状腺ホルモンの測定が行われるようになり,従来の間接的な検査法から直接的な方法へと移りつつある.内分泌腺の機能検査法の原理としてはまず体液中のホルモン量を正確に測定すること,次に内分泌腺の刺激抑制その他の代謝的条件下におけるホルモン量の変動を測定することにあると考えられ副甲状腺ホルモンについてもこの原則に沿って今後の発展が期待される.
副甲状腺機能検査は1回の検体採取のみで測定しうるいわゆる静的検査と何らかの代謝的負荷を加え測定値の推移によって検査するいわゆる動的検査に分類することができる.さらにこれら静的および動的検査の中にはCa代謝を用いるものとP代謝を用いるものとがあり,これらの検査法を一括すると表1に示すごとくになる.
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