負荷機能検査・15
副甲状腺機能検査
屋形 稔
1
,
三国 龍彦
2
1新潟大学中央検査部
2新潟鉄道病院内分泌科
pp.310-316
発行日 1981年3月15日
Published Date 1981/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911183
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副甲状腺ホルモン(PTH)は,主として腎,骨,腸管に作用して血清カルシウム(Ca)を上昇させるとともに,腎尿細管におけるリン(P)再吸収を抑制して,尿中P排泄を増加させることはよく知られている.また細胞膜のアデニルサイクラーゼ活性を刺激し,腎,骨などのサイクリックAMP (cAMP)レベルを上昇させ,尿中cAMPを増加させる作用を有する.
したがって血清Ca値や尿中P値の測定は,副甲状腺機能を知るうえで簡便かつ信頼性のある検査法であり,血中PTH濃度をRIAによって直接測定でき,副甲状腺疾患の診断が一段の進歩した現在でもこのことに変わりはない,しかしCa代謝にはPTHばかりでなく,カルチトニンとビタミンDが重要な役割を果たしており,この三者が互いに協調して血清Ca濃度の恒常性を保っている1).また標的器官のPTHに対する反応性が欠除している偽性副甲状腺機能低下症のあることなどから,必ずしも副甲状腺機能とCa値とは一致しない.
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