霞が関だより・23
後継ぎ—技師の新人育成
I K
pp.438
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908511
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毎年のことながら4月は新しい事業年度の始まりである.事業年度はまた会計年度とも言われるが,事業を行ううえで,財政的裏付は欠かせないことであるから,どのように呼んでも意味としては同じであろう.会計年度については国の場合は財政法第11条によって毎年4月1日から翌年の3月31日までと決められている.国が補助金などを交付して行う事業で地方公共団体が実施する事業に,河川や港湾の改修などがあるが,地方によっては気象条件の関係から,国の会計年度をずらして欲しいという意見もかなり前からあるようである.これは国の会計年度を毎年1月1日からとすれば,事務手続きを経て実際に事業に着手できる時期も,気象条件のよい時期に行うことができるというところにあるようである.
さて,この事業年度(会計年度)に歩調を合わせて人々の動向に変化が訪れるのもこの時期である.病院や診療所などの医療機関に長く勤務していた人が退職して新しい人がその後を埋めるというパターンの多くがこの時期に集中するのはご承知のとおりである.新しい人という見方は先人(先輩)から見た場合であるが,これはもちろん退職した人の穴埋めというより,"後継ぎ"としてそのポストに着くというほうが適切であると思う.このパターンは医療機関の検査室(検査部)の中でも見ることができるが,受け入れ側にとっては言わば"新しい酒"の注入とも言える.
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