研究
パラフィン切片での軸索証明法—硝酸を用いたビルショウスキー鍍銀法変法
高屋 豪瑩
1
1都立府中療育センター
pp.1507-1509
発行日 1973年11月15日
Published Date 1973/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908333
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はじめに
神経原線維,神経細胞突起や軸索などを選択的に鍍銀するすぐれた方法としてビルショウスキー法が用いられてきた1,2).本法はホルマリン固定材料から直接凍結切片を作製し,上述の神経要素を鍍銀する方法である.
凍結切片を用いる場合,鍍銀を左右する因子として,組織白身の固定ぐあい1),使用する器の洗浄度,アンモニア銀のできぐあい3),アンモニア銀からとり出された切片をどの程度,どのように還元すべきかを決定するまでの,大別して4因子があげられる.このうち前3者は,特別の注意を払うことによって解決されるが,最後の還元については,透徹して初めて鍍銀の良否の判定が可能であるため,技術的に困難な操作といわれ,それゆえ,ある程度の熟練者によってのみ可能とされてきた.また,本法はパラフィン切片やセロイジン切片には2,3の変法1,2)が行なわれているが十分な成果が得られないため1,2,4-6),これらの変法を行なうには,まず使用する薬品の基本的な検討から始めなければならない.
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