研究
システインを用いたMichaëlsson変法による血清ビリルビン定量法の検討
尾辻 省悟
1
,
小園 時夫
1
,
黒木 辰雄
2
1鹿児島大病院中検
2鹿児島市医師会臨床検査センター
pp.319-322
発行日 1973年3月15日
Published Date 1973/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908021
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はじめに
Jendrassik-Gróf-Nosslin1,2)の血清ビリルビン測定法を改良したMichaëlsson変法3)は特異性が高く,溶血による影響が少なく,試料による濁りや試薬間の呈色反応を除外できる点などにおいて,前者にまさるものであるという.しかし,著者らの経験によればMichaë-lsson変法におけるジアゾ反応停止剤アスコルビン酸の安定性に問題があり,これがブランクその他に影響を与え,日常測定結果にしばしば少なからぬ不定の負誤差を引き起こしていることがわかった.そこでアスコルビン酸のかわりにシステインを用いて検討を加えたところ,この問題が解決されるとともに,より安定した測定が可能となり,ヘモグロビンの影饗をさらに排除できるなど良好な結果を得たので報告する.
以下,血清総ビリルビンをTB,直接ビリルビンをDB,システインあるいはアスコルビン酸を用いたMi-chaëlsson変法をそれぞれ‘C’および‘A’,Malloy-Evelyn法4)を‘ME’と略す.
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