技術解説
血中ビリルビンの定量
浜田 金三郎
1
HAMADA KINZABURO
1
1日本医科大学生化学教室
pp.115-119
発行日 1963年2月15日
Published Date 1963/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906075
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ビリルビンはヘモグロビンのヘムの分解に由来する胆汁色素の一種である。この直接の前駆体はビリベルジンであって,これが還元されて生成される。主として肝,脾,骨髄の網内系細胞でできるといわれている。通常血液中ビリルビン濃度は一定の範囲に維持されているが,ビリルビンの生成過剰や,生成されたビリルビン処理あるいは排出の障害があると,いわゆる過ビリルビン血症が起こる。従って血清ビリルビンの濃度は,肝臓機能を判定するための,一つの重要な指標になる。
ビリルビンは化学的に次の構造をもち,赤褐色の結晶として単離される。クロロホルム中では,450mμに吸収極大(E450**mM=57.5)を示すことが特色である1)。従ってこれと類似の吸収をもつ物質の混在しないときには,クロロホルム溶液中での450mμの吸光度を測定することによって定量することができる。
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