ME機器の安全対策・11
デフィブリレータ,心臓ペースメーカー,人工心肺,人工腎臓の安全対策
伊藤 弘多加
1
1ME機器安全対策研究会
pp.1422-1426
発行日 1972年11月15日
Published Date 1972/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907849
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ME機器の安全対策において今までに取り扱ったのは,高圧酸素タンクや酸素テントのような治療器を除き,一般的事項ならびに診断装置関係が主であった.ここでは近時急速な進歩と普及を示し,生体の機能に直接深い関連をもつME治療装置としてのデフィブリレータ,心臓ペースメーカー,人工心肺,人工腎臓について安全対策上からの検討を試みたい.
これらの装置はいずれも短期間,あるいは長期間にわたる生体の機能回復や機能代行を目的としているので,装置の設計,製造,保守などにおいても,また臨床上の適応の決定やその使用についても高度の信頼性と安全性が考慮される必要がきわめて大きい.これら装置は,生体に接触する部分に生体反応の少ない金属や高分子材料が用いられ,機構部分や電子回路に非常に高い信頼性が要求されるとともに,人間工学的な立場より誤操作をなくし,かつ誤動作を未然に防ぐ処置など多方面からの検討が加えられている.特に心臓ペースメーカーにおいては,安定した状態が2年以上,さらに今後は10年以上も持続されなければならなくなってきている.
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