紹介
英国の精神医学誌“Psychological Medicine”について—Professor Michael Shepherdの紹介文から
作田 勉
1
Tsutomu Sakuta
1
1慶応義塾大学医学部精神神経科
1Dept. of Neuropsychiatry, Keio Univ. School of Medicine
pp.803-805
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202797
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American Journal of PsychiatryやBritish Journal of Psychiatryは著名な精神医学専門誌であるが,1969年に英国のMaudsley学派が中心となって,季刊誌‘Psychological Medicine’が新たに主要な精神医学誌の一つとして創刊された。周知の如く,アメリカ精神医学は,A. Meyerの流れを汲んで力動精神医学を重視し,また,精神分析が盛んである。他方,英国精神医学は,中庸を歩む行き方でかたよらないところから,日本の精神医学に極めて類似している。したがって,精神障害へのアプローチや治療に関しても相互に吸収し合う面が多い。そして,‘Psychological Medicine’にも優秀な論文が多く掲載されており,発刊後8年で既に,一流精神医学誌との評価を受けるに至っている。
ところが,本誌は,欧米諸国においてはよく読まれているが,日本では未だ極めてわずかの読者しかいないという。私は,1975年夏に,欧州児童精神医学会における論文発表のためにウィーンを訪れたところ,かつて私がMaudsleyにいた頃のチームリーダーだったProf. G. F. M. Russellと会い,Psychological Medicineの紹介をぜひ日本でしてくれないかと頼まれたのであった。
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