技術解説
ランゲルハンス島のA,B,D細胞の染色法
藤田 恒夫
1
,
渡辺 雪子
1
1新潟大・解剖
pp.479-482
発行日 1972年5月15日
Published Date 1972/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907607
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ランゲルハンス島の細胞型
ランゲルハンス島の染色標本で染まり方の異なる2種類が存在することは,ウサギやモルモットのように島細胞が大型で染色性も明瞭な動物で,すでに今世紀初頭から気づかれていた(Ssobolew;1902,Tschassownikow;1906).その後,複雑な複合固定液とゲンチアナ紫-オレンジ,あるいはゲンチアナ紫-酸フクシンというような,今日ではあまり用いられることのない染色法によって,2種の細胞の顆粒を積極的に染め分ける方法が開発され(Lane;1907,Bensley;1911),Bensleyは今日も用いられるA細胞,B細胞の名を提唱した.
Bensley(1911)はモルモットの膵島に色素に染まらぬ明るい細胞を見いだしてC細胞(clearcell)と名づけた.その後Bloom(1931)はツェンケル-ホルマリン固定,アザン染色のヒトの膵島に,淡青色に染まる微細な顆粒をもつ細胞を見いだし,D細胞と名づけた.
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