Senior Course 細菌
リステリア菌の検査
永井 龍夫
1
1札医大中検
pp.1472
発行日 1971年12月15日
Published Date 1971/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907472
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1.髄膜炎に多くみられる
リステリア菌(Listeria monocytogenes)はグラム陽性の短杆菌で鞭毛を有し運動性がある.1958年山形県で髄膜炎,北海道で胎児敗血症性肉芽腫症が見いだされたのが,ヒトのリステリア症の最初の報告例である.以来41症例(33例は髄膜炎)の報告がある.細菌検査室で化膿性髄膜炎の原因菌検査を実施する際に注意していれば,本菌を検出する可能性がある.
検査材料としては髄液,血液がおもなものだが,病型は多彩だから咽頭塗抹や排泄物,分泌物も対象になる.健康人では無菌の髄液の沈渣に少数でもグラム陽性短杆菌を認めたら,本菌による髄膜炎を疑う必要がある.
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