主要疾患と臨床検査・16
皮膚疾患と臨床検査
野原 望
1
1岡山大・皮膚科
pp.360-365
発行日 1970年4月15日
Published Date 1970/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906752
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皮膚疾患の診断には,視診による皮膚病変(発診)の観察が最も重要である.つまり皮膚科診断学は,その基礎を発疹の形態学的分類においており,したがって,そこでは豊富な経験によってつちかわれた鋭い観察眼がまずものをいうが,もちろん,それだけですべてこと足りるわけではない.なぜならば,ときには型どおりでない特異な病像が現われてくることもあり,あるいはまたもっとたいせつなこととして,同じ形態的変化が全く異なった種々の原因によって生じたり,またその逆に同じ原因から種々の異なった病像を生じたりすることがしばしばあるから,鑑別診断や病因の追求,病態の本質の究明のためには,どうしても患者の状態を客観的に認識する手段としての臨床検査が必要なものとなってくる.
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