技術解説
組織中結核菌の螢光染色
勝呂 長
1
,
川村 章夫
1
,
鈴木 富士夫
1
,
河野 和幸
2
1日大・萩原内科
2日大医学部総合研究所中央写真室
pp.132-136
発行日 1970年2月15日
Published Date 1970/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906690
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まえおき
螢光螢微鏡(fluorescence microscopy)は1911年,Lehmannにより考案,実用化されたが,その当時は操作が複雑で,螢光染色の技術がそれに伴わなかったため,広く普及するまでに至らなかった.しかし,1934年に至り,Haitinger1)によって新たに螢光色素法が導入され,その後,急速に進歩した.次いで1937年には,Hagemann2)によって結核菌および癩菌などを中心とした微生物の検出面に応用されるようになり,しだいに普及し,この面で多くの業績があいついで報告されるようになった.
一方,結核菌の螢光染色法にはHagemann2)の硫酸ベルベリン法,次いでオーラミン・O単独染色法などが行なわれた.最近ではGray4)のオーラミン・O,ローダミンB混合螢光染色法があり,本邦では矢崎・津金6,7)(1954)のローダミン・B,オーラミン・Oの重複染色法などがある.近年,本邦においても螢光顕微鏡の開発および螢光染色法の技術の進歩3,9)に伴って,日常の臨床面へ広く応用されるようになった。従来,チール・ネールセン法で組識内結核菌を検出するのには油浸レンズを用いたため,かなりの忍耐と努力を必要とした.
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