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溶媒の精製(1)
永井 諄爾
1
1九大・中検
pp.237
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906366
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化学反応のほとんど大部分は,何かに溶かした状態,すなわち液相で行なわせるのが普通である.この液体の状態をあたえる媒体を溶媒と名づける.最もよく使われる溶媒は水であり,臨床検査室では水の純度に対してきわめて神経質である.これは血清電解質はもちろん血清鉄,血清銅など,その濃度の低いものの定量のとき,もしも反応溶媒である水が不純,すなわち定量しようとする物質を少しでも含んでいるときは,それによって定量が混乱されてしまうからである.
ここでは水の精製については述べないで,いわゆる有機溶媒の精製について説明することにする.これらの溶媒の市販品は不純物を含むことがあり,それが思いがけない失敗やまちがいの原因になることが多いのである.したがって市販有機溶媒は必ず精製してから使用するのが原則と心得るべきであろう.
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