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はしがき
赤血球が種々の抗原性物質を表面に吸着する性質を有することは,Landsteiner以来知られていた。Keogh,North,Warburtonら(1948)1)は,H.influenzaeの菌体多糖体を以て赤血球を感作すると,かかる赤血球はその免疫血清と特異的な赤血球凝集反応を呈し得ることを報告した。MiddlebrookとDubos2)は結核菌についてこれを行ない,Rothbardら(1950)の追試により「結核の活動性の診断に用い得る」と発表されたため,注目され,いわゆるMiddlebrook-Dubos反応として盛んに検討された。Boyden (1951)3)はその追試中,赤血球に抗原液を感作させる前に希薄なタンニン酸溶液で前処置しておくと,抗原液中のタンパク質性抗原が容易に吸着されることを発見した。すなわち,Keogh,Middlebrook-Dubos型の反応が主として多糖体性抗原に用いられるに反し,Boyden型の反応は主としてタンパク質性抗原に応用し得るところに特徴を有する。
以来,この反応は抗原として高分子化合物4),卵白アルブミン5),血清タンパク質5)6)7),毒素5)8),ウイルス(単純ヘルペス9)10)13),アデノ11)12),オウム病30)等),細菌(P.P.D,15)16)ペスト菌14),溶連菌17)18)等),原虫および寄生虫(シストゾミア20),施毛虫21),トキソプラスマ22)49),エキノコックス23),アスカリス19)等),枯草熱抗原24),血小板25)26)27),白血球28),赤血球血液型質29),臓器抗原(甲状腺31)32)34)36),腎38))等多くのものに用いられた。
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