技術解説
トキソプラスモージスの血清学的検査法
橋本 雅一
1
HASHIMOTO MASAKAZU
1
1東京医科歯科大学微生物学教室
pp.417-423
発行日 1963年6月15日
Published Date 1963/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906125
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
トキソプラスマ症はToxoplasma gondii (三日月原虫)と呼ばれる原虫の感染によって発現する。確実な診断は臨床症状の面から本症を疑われる患者から虫体を検出することであるが,この操作はきわめて煩雑な作業であるだけでなく,確かに体内に虫体が存在していると思われる例であっても,直接的あるいは間接的方法によって必ずしも常に虫体を検出できるとは限らない。しかし,本症では感染2〜3週後になると種々の特異的免疫体(抗体)が作り出されることが知られたので,本症が疑われる患者について生体内免疫反応の発現を検討したり,患者の分離血清について他種動物での生体内反応を調べたり,また試験管内で各種の血清反応を行なったりして,種々の血清学的診断が試みられるようになってきた。現在まで次のような試験法が報告されている。
1.患者の生体内免疫反応……皮内反応
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.