合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール
母子感染症
トキソプラズマ
出口 雅士
1
,
山田 秀人
2
1神戸大学大学院医学研究科地域医療ネットワーク学分野
2神戸大学大学院医学研究科産科婦人科学分野
pp.71-76
発行日 2018年1月10日
Published Date 2018/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209231
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●加熱不十分な肉や非飲用水の摂取,土の付いた野菜や果物の摂取,猫の排泄物との接触,土いじり,砂場遊び,海外旅行(中南米・中欧・アフリカ・中東・東南アジア・豪州)が感染リスクとなる.
●本邦では,過半数の産科施設で妊娠初期検査の一環で抗トキソプラズマIgG抗体またはIgM抗体の測定による妊婦スクリーニングが行われている.
●抗トキソプラズマIgM陽性でも,抗トキソプラズマIgG陰性が続けば初感染ではない.IgG陰性妊婦にはトキソプラズマ感染の予防啓発を行う.
●最近の感染かどうかを推定するため抗トキソプラズマIgG avidity検査が行われるが,標準化された検査方法でないため結果の解釈には注意が必要である.
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