特集 簡易臨床検査法
糞便
糞便潜血反応
正宗 研
1
1東北大学医学部山形内科
pp.884-886
発行日 1967年12月5日
Published Date 1967/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916268
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
糞便潜血反応の種類と原理
消化管疾患の症状のうち,消化管出血は最も重要なものの一つであり,吐血,下血のごとき顕出血はむろんのこと,潜出血の場合にもこれを他覚的に証明するために糞便潜血反応は重要な日常の検査手技の一つとして診断学上応用されている。
糞便潜血反応には,1)分光鏡法,2)化学試験法(触媒法),3)ヘミン結晶生成試験法などがある。分光鏡法はSnapper法が最良とされ,最も正確な方法である。しかし,臨床的には触媒法が広く用いられ,その簡便法も実用化されている。触媒法の原理は,血色素中のPerioxydase作用により,それらの試薬が酸化されて青色となることを応用したものである。触媒法としては古くからグァヤック原法,ベンチジン原法,フェノールフタレイン法,オルトトルジン法などが用いられてきた。しかるに最近ば簡易潜血反応として,器具や試薬が簡単になったベンチジン潜血反応濾紙法(参木・上杉法),ヘモペーパー法,シノテスト4号法,ヘマテスト法などが,手数が省け,どこでも手軽に行なわれるので実用化されている。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.