技術解説
直立拡散法—その原理と手技
工藤 祐是
1
1結核予防会結核研究所
pp.239-243
発行日 1962年4月15日
Published Date 1962/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905951
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
結核菌の薬剤耐性検査は,現在すべて希釈法によって行なわれている。以前にくらべれば,この方法も濃度段階を減らし,かなり簡略化されてはいるが,最近抗結核剤の種類がふえるにしたがい,労力や経済的な面の負担が大きくなる傾向にある。実際問題として,10種に及ぶ抗結核剤の耐性を,それらの薬剤含有培地を常備して,もとめに応じて円滑に検査することは,ほとんど不可能に近い(これらのうちには方法の確立されていないものもあるが)。
このような場合,だれでも思いつくのは,腸内菌や化膿菌で,すでに広く行なわれているディスク法であろう。しかし,結核菌はこれらの菌とは大分性質が違い,実際に試みると,そのままでは応用し難い点があるのに気づく。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.