Japanese
English
実践講座 姿勢反射
2.ヒトの直立姿勢
Standing Posture in Humans.
水田 啓介
1
,
宮田 英雄
1
Keisuke Mizuta
1
,
Hideo Miyata
1
1岐阜大学医学部耳鼻咽喉科学教室
1Department of Otorhinolaryngology, Gifu University School of Medicine
キーワード:
直立姿勢制御
,
重心動揺計
,
加齢
Keyword:
直立姿勢制御
,
重心動揺計
,
加齢
pp.985-990
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107492
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
ヒトは直立姿勢を維持するために,随意運動とともに不随意運動を繰り返している.不随意運動には立ち直り反射,筋緊張反射,四肢,躯幹の協同運動がある.立ち直り反射とは頭部,躯幹を重力に対して正しい位置に復元,維持させる反射で,視性の立ち直り反射,迷路性の立ち直り反射,自己受容性の立ち直り反射がある.直立姿勢維持に必要な筋緊張の構成には,迷路性筋緊張,伸展反射,支持反射,頸反射などによる反射的筋緊張調節,大脳,小脳などによる中枢性筋緊張調節が重要である.また,直立姿勢維持に必要な四肢,躯幹の協同運動は小脳,特に前葉の働きが重要で,四肢の自己受容器からの情報により四肢運動の微細な調節や筋の協同運動や姿勢維持が行われている.これらの感覚器,反射路と中枢神経により姿勢制御系が形成されている.これらの制御系のどこかに障害をきたすと直立姿勢維持に異常が現れ,身体動揺が増大する.
今回,正常人の直立姿勢の特徴と代表的疾患の直立姿勢異常を述べる.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.