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血色素測定法の比較試験成績について
甲 厚大
1
,
野村 修三
1
1広島市西保健所予防課
pp.575-576
発行日 1960年9月15日
Published Date 1960/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905745
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従来血色素の測定法としては種々の方法が用いられているが,測定値に相当な誤差を生ずる事を感知しながらも,方法が簡便であるという理由からSahli氏法1)が一般に広く用いられている。Sahli氏法においては後続増濃現象のため,測定にかなりの時間を要するので小宮2)は塩酸と血液を混和した後,30°〜40℃の温湯中で15分間作用させる方法を案出しSahli—小宮法と称し推奨している。しかしこの方法は多数の検体を処理する場合,あるいは現場検査における時間的問題,加温設備の不備等から上述の加温を省略し室温に1分間放置する便法が用いられる場合もある。一方各研究機関,大病院等では光学的に測定する方法が最近採用されるようになつた事は周知の通りである。
このように血色素の測定には各種の検査法が用いられているのであるが,私共は特にSahli—小宮法とSahli—便法との相異について比較検討を試みることに重点をおき,参考として光学的な血色素の測定を併せ行い,更にSahli氏法1)による後続増濃現象の時間的変動についても観察したのでこれらの成績について述べることとする。
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