『医学常識』
肝臓のはなし(Ⅲ)—肝臓の病気
鈴木 秀郎
1
1東大付属病院臨床検査部血清検査室
pp.225-228
発行日 1959年4月15日
Published Date 1959/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905567
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肝臓のはなしも今月で3回目になります。先月までに肝臓という器管が体のなかでどんな役目を果しているか,肝臓が侵れたときはどんな症状があらわれるか,さらに肝臓の機能はどんな風にして検査をするかということをお話ししました。今回は肝臓の病気について述べてみようと思います。
肝臓の病気も随分いろいろなものがあります。第1表にその名前を書き出しておきましたから御覧になつて下さい。表にあげてあるように肝臓の病気は大きくわけて広汎性肝疾患と限局性肝疾患の2つにわけられます。広汎性肝疾患というのは肝臓全体が一様に侵される病気をいいます。これに属するものはカタル性黄疸(流行性肝炎)のようにウイールスでおこるものや,肝硬変・脂肪肝・澱粉様肝のようにいろいろな原因でくる変性によつておこるものや,肝萎縮症のようにある種の中毒でおこるものなどさまざまなものがあります。
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