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樫田 今日のテーマは,臨床検査に必要欠くべからざる熱源の問題,これについてのいろいろの困る問題とか,常識的に知つていなければいけない問題とかについて東京電力の松田さん,東京ガスの藤原さん,田原さん,東京石油ガスの井上さんにお忙しいところをお出いただきまして,いろいろ教えて頂きたいという試みでございます。
われわれの病院或は医科大学というような所では,普通の講義だけする学校に比べていろいろの実験を行いますので,光熱費というものが非常に予算面を大きく占めております。これを無駄なく有効に使うということは,これに携わる者が絶えず念頭におかなければならない問題だと思うのであります。いざとなつてみると,こういう熱効率をいかに有効に使うか,というようなことは,なかなか素人の者には分り難いことであるし,或は知らされておりません。そういうようなことでわれわれはいろいろの知識を得たい,というわけでございます。先ず最初にどんなものを使つているかということを御披露しましようか。私は東大におりますので,東大の方を申し上げます。水道というものは沢山使つても,割合安いものです。ところがガス,電気になりますと,かなりの大消費者らしいのでございまして,ガスは化学の実験等で化学薬品を温めたり,或はお湯の中に試験管を漬ける,ウオーターバスを使う血清学では毎日使つております。試験管が一度に何百本も入るような,小さな風呂桶みたいなものの中に入れるわけです。これは温度調節をうまくするというために電気でやる場合が多い。ガスではなかなか微妙な調節が出来にくいということもあるわけです。細かいことは後で御専門の先生から話して頂きますが,その他細菌の関係では黴菌のコロニーと言いますか,黴菌の小さいかたまり集落をとったり,植えたりする時に,小さなカギみたいなものが柄の先に一ついておるもので移して,或は試験管の口を消毒したりする時に,必ずガスバーナーで熱消毒するわけです。そういうように所謂実験的と言いますか,検査物を扱う時にいろいろの熱源を使うこともありますし,又仕事が動いて行くため,照明等も検査室というものが多く地下室とか,一階とか,少し暗いような所におかれておるのが多いので,1日中電気をつけるということもあるし,殺菌灯なんかを使っている。それからいろいろのモーターを動かす,熱源と言えませんけれども,電気動力源でいろんな器械を使っております。
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