技術解説
ヒツジ血球の取扱い方
鈴田 達男
1
1東京大学医学部血清学教室
pp.29-32
発行日 1959年1月15日
Published Date 1959/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905538
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どんな反応でも試薬が不純であつては,よい結果はえられない。それだからどの検査室でも試薬の選定,保存には非常に神経をつかうものであるが,血清学的検査におけるヒツジ血球は丁度この試薬に相当するものである。
例えばワツセルマン反応を初めその他の補体結合反応の溶血系,Paul-Bunnell反応,Waaler-Rose反応などいずれもヒツジ血球を指示薬として凝集乃至溶血をおこさせ,その結果によつて判定を下している。この場合に注意しなければならないのは,化学的な試薬と異なり血球は"生きもの"であるから,動物の個体により,又採血の時期,保存期間,保存条件などいろいろな因子によつて差があることである。
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