座談会
検査室と色素
武田 スミ
1
,
太田 邦夫
2
,
高橋 昭三
3
,
松村 義寛
4
,
松橋 直
5
,
天木 一太
6
,
樫田 良精
7
1ミノファーゲン製薬研究部
2東京医科歯科大学
3東京大学医学部細菌学教室
4東京女子医科大学
5東大医学部
6日本大学医学部
7東大医学部
pp.150-165
発行日 1959年3月15日
Published Date 1959/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905557
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色素とは
樫田 色素は主に病理組織検査や,血液,細菌などの形態学的な面の検査に日常使われています。しかし色素は種類も非常に多く,また,同じ名前の色素であつてもよく染まるもの,染まりにくいもの,あるいは不純なものとかいろいろ癖があると思います。ただ本に書いてある通り自分でやつたんではうまく染まらないことをしばしば経験します。今日は,この方面に長年御経験のあるミノフアーゲンの武田さんを中心にいろいろ色素の話をしてみたいと思います。では武田さんまず一般的な色素の問題について。
武田 臨床検査というのは,その名のとおりに考えますと,病理,細菌検査をおやりになつて居る方が,主として色素に関係がおありと思います。あいにく私は,そちらの方とは比較的縁がうすいので,多少見当ちがいになると思いますが,足りないところはのちほど補足して頂くことにしまして,組織学,細菌学の関係,つまり染色に関係した色素を,化学的にはどのように考えられるかという立場からお話させて頂きたいと思います。
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