新しい検査法
血清蛋白結合沃度測定法
豊田 正輝
1
,
得丸 トミ子
1
,
萩原 淳子
1
1東邦大学病院中央検査室
pp.248-250
発行日 1957年7月15日
Published Date 1957/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905361
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甲状腺機能に関する研究は昨今盛んに放射性沃度(I132)を用いて実施され,多くの興味ある研究が発表され1)2),亦一部はシンチレイシヨンカウンター等に依り臨床的にも応用されているが,臨床家の立場から眺めると充分実用的な段階に到達したとは考えられないと云うのが現況である。
甲状腺機能の検査法としては従来基礎代謝を中心としてコレステロールの測定等が行われて来た。併し乍ら臨床的な基礎代謝測定様式ではすくなくとも±10%前後の誤差を常に考慮しなければならない上に,甲状腺機能亢進症並びに其の低下症以外の疾患例えば,悪性腫瘍,糖尿病或は腎臓病等では種々の因子に依り其の組織臓器の酸素消費量の変化を起して来ると考えられ,其の結果当然測定値に変動が起るし,又精神的不安の為に測定不能の場合も可成りの数にのぼる。其れ故,甲状腺機能を端的に表現する測定法とは考えられない弱点を持つているのである。
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