技術講座 生化学
血清総蛋白・アルブミンの測定法
林 富士夫
1
,
久保田 浩司
2
,
村本 良三
3
,
斎藤 憲祐
4
,
大澤 進
5
1神戸大学医学部附属病院検査部
2兵庫医科大学病院検査部
3(財)心臓血管研究所付属病院検査部
4デイドベーリング(株)マーケティング部
5千葉大学医学部附属病院検査部
pp.1377-1382
発行日 1999年11月1日
Published Date 1999/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543904011
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新しい知見
アルブミンの測定法は用いる色素(BCGやBCP)により,その反応特異性に違いが見られるのが現状である.この違いは特に低アルブミン血症で著明に現れるため,臨床家の間では低アルブミン血症の診断や治療の際,その効果の確認に混乱が生じている.臨床では肝硬変患者の治療法として分岐鎖アミノ酸薬の治療法が確立され,その効果判定に血清アルブミンが利用されており,正確な測定値の報告が望まれている.国際的な血漿蛋白の標準物質であるCRM470にはアルブミンが含まれるため,これを共通標準として各測定法の正確さの評価が行われた結果,各測定法の問題点が明確になった.
総蛋白測定法はビウレット法が正確な方法として利用されているが,検体盲検を測定していない.最近,検体盲検を測定できる2試薬系測定試薬が市販された.
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