報告
血清Vakat沃度酸値係數に就いて
渡邊 瑩之助
1
1北海道大學醫學部醫化學教室
pp.272-275
発行日 1951年6月15日
Published Date 1951/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905592
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緒論
生體内に於ける酸化の状況を尿を通して窺う方法としてVakat酸素(O),炭素量(C)並びに尿係數(C:N1),O:N2)3),O:C4)5))があるが,西風10)11)は種々なる條件下に於けるVakat酸素,O:Nに就て研究した結果,兩數値とも食餌攝取量特に蛋白攝取量に影響され,殊にO:Nに於ては,生體内酸化の良否とは關係なく,蛋白代謝の亢進によつて下降し,低蛋白食攝取の際には上昇する事實を認め,而もBickel3)の論ずる如く,假令い食餌攝取量を一定にしても必ずしも生體内の酸化状況と一致した變化を示すとは限らぬ事實を認め,西風は新に生體の代謝機能を研究する方法として,Vakat沃度酸値法(O:K)を割案した。10)11)
沃度酸値(Kにて表す)は0.7%硫酸酸性の下に沃度酸加里にて酸化し,その酸化に要する酸素消費量であるが,反應物質は有核—Amino酸(Tyrosin, Tryptophan, Phenylalanin等)及びその誘導體,生體色素及びその誘導體,Pyrim idin體,Purin體及びその誘導體及びVitamin類(Vitamin Cを除く)等であつて,糖質,尿素には反應しない。
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