今月の主題 C反応性蛋白
話題
血清アミロイドAの多型
山田 俊幸
1
Toshiyuki YAMADA
1
1順天堂大学医学部臨床病理学
キーワード:
血清アミロイドA
,
SAA
,
遺伝子多型
,
アミロイドーシス
Keyword:
血清アミロイドA
,
SAA
,
遺伝子多型
,
アミロイドーシス
pp.1021-1024
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905186
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1.はじめに1)
血清アミロイドA蛋白(SAA)は慢性炎症性疾患に合併する2次性アミロイドーシスの沈着蛋白AAの血清前駆体として命名された.SAAは分子量11,500の糖を含まない蛋白で,血中では高比重リポ蛋白(HDL)に会合して存在する。SAAはC反応性蛋白(CRP)と並ぶfirst classの急性期蛋白である.インターロイキン6,他の炎症性サイトカインの刺激で様々な細胞で産生されるが,血中のSAA蛋白の大部分は肝合成に由来すると考えられている.SAAには以下に述べるような複雑な多型が存在し,一方,CRPには多型は少なく,急性期蛋白としてのCRPをもつほ乳類も限られることから,SAAは進化上CRPより古く,多型を生み出しながら保持されてきたものと考えられる.本稿ではSAAの多型を概説し,特にSAA1の対立遺伝子多型とアミロイドーシス発症,血中SAA濃度との関係について最近の知見を述べる.
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