TOPICS
血清アミロイドA
伊藤 喜久
1
1自治医科大学臨床病理学
キーワード:
血清アミロイドA
,
C反応性蛋白
,
ウイルス感染症
Keyword:
血清アミロイドA
,
C反応性蛋白
,
ウイルス感染症
pp.196-197
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901437
- 有料閲覧
- 文献概要
生体に対して感染,腫瘍,外傷などのストレスが加わると,種々の機能を持った蛋白質が短時間の間に血中に増加してくる.このような蛋白質を急性相反応物質(acute phase reactant;APR)と呼んでいる.血清アミロイドA (SAA)はC反応性蛋白(CRP)とならぶ代表的なAPRで,もともとは,慢性炎症疾患に合併する続発性アミロイドーシスにおける沈着蛋白成分であるアミロイドA(AA)の血中前駆物質として同定されたもので,分子量11,600,106個のアミノ酸から構成されている.荷電は不均一で,少なくとも6種類のアイソフォームが存在し,mRNAも3種類以上あることが知られている1).
SAAの機能については,これまでのところ,炎症,免疫反応の修飾,抑制作用(抗体産生抑制,白血球細胞内代謝抑制),組織修復の促進(繊維芽細胞のコラゲナーゼの誘導)などに役割を果たしていることが示されている2).
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.