今月の主題 臨床検査測定値の標準化
総論
臨床検査値の標準化の実際―免疫学的測定を中心として
細萱 茂実
1
,
坂本 美穂子
1
,
尾崎 由基男
2
Shigemi HOSOGAYA
1
,
Mihoko SAKAMOTO
1
,
Yukio OZAKI
2
1山梨医科大学医学部附属病院検査部
2山梨医科大学医学部臨床検査医学講座
キーワード:
IFCC血漿蛋白国際標準品CRM470/RPPHS
,
トレーサビリティ
,
不確かさ
,
生理的個体間・個体内変動
,
検出限界
Keyword:
IFCC血漿蛋白国際標準品CRM470/RPPHS
,
トレーサビリティ
,
不確かさ
,
生理的個体間・個体内変動
,
検出限界
pp.833-841
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905157
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免疫学的測定の標準化は,IFCC血漿蛋白国際標準品CRM 470/RPPHSの普及によって著しく進展した.国際的に利用可能な認証標準物質は,検査値の標準化に重要な役割を有する.認証標準物質を活用しトレーサビリティが保証された検査値を得るためには,正確さの伝達体系である校正階級段階に対して,日常検査法が整合性を保つ必要がある.
また,臨床検査の許容誤差限界に関して,健常者の生理的個体間・個体内変動の大きさを基準とする考え方があるが,免疫血清成分についても同様に生理的変動幅を推定し,それに基づく許容限界の設定を試み,現在の技術水準(state-of-the-art)と比較した.一方,免疫学的測定でしばしば問題となる,測定可能最小量を表す検出限界の設定法について,国際標準化機構(ISO)による標準規格を示す.
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