特集 臨床検査のための情報処理技術の進歩
1章 臨床検査の技術的評価の考え方と統計処理法
5. 検出限界と定量限界の設定法
細萱 茂実
1
,
市原 清志
2
Shigemi HOSOGAYA
1
,
Kiyoshi ICHIHARA
2
1山梨大学医学部附属病院検査部
2山口大学医学部保健学科
キーワード:
ブランク限界
,
検出限界
,
定量限界
,
測定法の性能評価
,
標準化
,
精度プロフィール法
Keyword:
ブランク限界
,
検出限界
,
定量限界
,
測定法の性能評価
,
標準化
,
精度プロフィール法
pp.1307-1313
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100306
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はじめに
内分泌機能検査,腫瘍マーカー,急性相反応蛋白などは分析法の最少検出能力が臨床的にも重要な意味を持つ.しかし,微量濃度域に関する分析性能の評価方法は必ずしも標準化された状況下にあるとは言い難く,現場では少なからぬ混乱がある.一方,国際標準化機構(ISO)は,測定方法の検出能力に関する国際規格(ISO 11843)を定めており1~4),日本工業規格(JIS)にもそれに準じた規格(JIS Z8462)が規定されている5~7).それらは広く一般的な化学分析を対象とした内容であり,臨床検査の領域にそのまま適用するには若干の問題がある.そこで,日本臨床化学会(JSCC)のクオリティマネジメント専門委員会では,ISO規格やNCCLS(米国臨床検査標準協議会,現在の名称はClinical and Laboratory Standards Institute, CLSIと変更されている)の検出限界・定量限界評価法(EP17-P)8)を基本として,臨床検査用の新たな指針設定を進めている9).これら定量分析法の検出限界・定量限界設定法に関する国際・国内規格の概要について整理し解説する.
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