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はじめに
生体試料中の成分濃度で100m1中に数μgオーダー以下で存在する微量成分のホルモン,腫瘍マーカー,心筋マーカー,ウイルス抗原・抗体,薬物などに関する検査は免疫化学的に測定されている.その測定方法は世界的にみてもnon-RI法が中心となり,なかでも,最近はCLIA(chemiluminescence immunoassay),CLEIA(chemiluminescence enzyme immunoassay),FEIA(fluorescence enzyme immunoassay),ECLIA(electro chemiluminescence immunoassay)を測定原理として10機種ほど測定装置が利用されており,感度,精度の良さで主流を占めるようになってきた.したがって,参考正常値も若干異なっている.このことは外部精度管理調査(external quality assessment;EQA)を実施した場合の集計に考慮せざるを得ない条件となる.
精度管理についてはIQC(内部精度管理;internal qua1ity control)とEQAがあるが,測定方法間,メーカー間,施設間の測定値誤差に関係があるのはEQAである.わが国では日本医師会,日本臨床衛生検査技師会が主催しているEQAや各地区,例えば大阪府医師会が主催しているEQAがあるが,ホルモン検査に関するEQAは日本ラジオアイソトープ協会(医学・薬学部会インビトロテスト専門委員会イムノアッセイ研究会)が「イムノアッセイ検査全国コントロールサーベイ(以後,イムノアッセイサーベイと略す)」を実施している.
本稿では,まず酵素活性以外の臨床化学検査項目(本稿では代謝成分と表現する)に関するEQAにおける共通のキャリブレータの利用による施設間是正の実際について簡単に述べ,ホルモン検査の標準化については,イムノアッセイサーベイ成績報告の内容を参考にしてホルモン検査のEQAと標準化について言及したい.
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