シリーズ最新医学講座―免疫機能検査・19
アレルギー反応の機序とその検査
茆原 順一
1
Junichi CHIHARA
1
1秋田大学医学部臨床検査医学講座
キーワード:
好酸球
,
lgE
,
Coombs&Gellの分類
Keyword:
好酸球
,
lgE
,
Coombs&Gellの分類
pp.773-776
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905147
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はじめに
そもそも,アレルギーにしても,1907年,Peter,Clemens,Cesenatico von Pirquetによって,ギリシア語のAllos(alter)とErgon(action)とを語源に提唱した"反応能力が変化している"という意から発しており,その変化は量的関係が増強された場合を過敏状態(hypersensitivity)としてアレルギーと把握される.したがって,抗原抗体反応の生体に及ぼす作用は,防御と過敏性で,前者は生体にとってbenefitな反応で,免疫反応として呼ばれ,後者は生体にとって不利な反応で,アレルギー反応と呼ばれるわけである.したがって,免疫反応もアレルギー反応も抗原抗体反応という1つの線上に存在し,これが生体にとって有利かどうかという一点が異なるわけである.一方,アトピーの本質は,Coombs&GellのⅠ型アレルギー反応における易IgE抗体産生の遺伝的素因として把握できる.
アレルギー性疾患の好発部位は皮膚,上気道,気管・気管支,腸管などで,これらはとりもなおさず,外来抗原に常にさらされる部位であり,さらに興味深いことには,生理的な状態においても好酸球の多く分布している部位でもある.
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