今月の主題 テーラーメイド医療と臨床検査
巻頭言
テーラーメイド医療と臨床検査
菅野 剛史
1
Takashi KANNO
1
1浜松医科大学
pp.7-8
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905009
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ヒトのゲノム解析が進み,いくつかの染色体では,その全構造が確定されてきている.そして,これらのゲノムシークエンスをどのように利用するかに次の焦点が当てられつつある.21世紀を迎え,検査の領域に大きな変革がもたらされるとすれば,この辺りに焦点が当てられるに違いない.そこで,今月の主題は「テーラーメイド医療と臨床検査」である.
臨床検査の領域で「テーラーメイド」という言葉は聞き慣れない言葉であるかも知れない.何のことはない既製服ではなく,身にあったオーダーメイドのスーツのことである.そして,「テーラーメイド医療」とは患者それぞれの体質,生活環境を意識した「その患者に対する独自の」医療を実践することである.もちろんEBM (事実に立脚した医療)がその背景にあることは重要である.そして,何が「その患者独自のもの」を見いだすための道具となるかを考えるに,検査以外に該当するものはない.ここで,検査の新しい展開が要求されることになる.今月の主題はこのような背景から設定された.
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