特集 超音波検査の技術と臨床
Ⅲ.循環器
3.心血管疾患各論
2)心筋症(1)肥大型心筋症
高元 俊彦
1
Toshihiko TAKAMOTO
1
1長野県厚生連北信総合病院内科
pp.1363-1367
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904937
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はじめに
定義:肥大型心筋症(hypertrophic cardio-myopathy;HCM)は,左心室に高度の心肥大をきたす疾患(ときに右心室肥大を含む)であり,非対称性肥大を示すことが多い.1980年,Goodwinらにより提案されたWHO/ISFC Task Forceの定義では,原因不明の心筋の病気"heartmuscle disease of unknown cause"とされ,高血圧や心筋内アミロイド沈着などの二次性心筋症のみが除外されてきた.しかし,患者の半数近くに家族内発症を認め,一部の患者では心筋ミオシン重鎖遺伝子異常などが判明したことより,1995年に改訂されたWHO/ISFC Task Forceの定義1)から「原因不明」の項目が削除されている.
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