特集 超音波検査の技術と臨床
Ⅲ.循環器
3.心血管疾患各論
1)弁膜症(4)感染性心内膜炎
石塚 尚子
1
Naoko ISHIZUKA
1
1東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所内科
pp.1358-1362
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904936
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はじめに
感染性心内膜炎は循環器領域において,いまだに迅速な診断,適切な治療が行わなければ救命が困難な疾患の1つである.その診断に超音波検査法の果たす役割は重要なものとなってきている.発熱や全身の塞栓症などの敗血症による症状に加え,血液培養から原因菌の検出,さらに画像診断上のいくつかの特徴ある所見がそろえば診断は確実となる.
超音波検査法においては,心弁膜病変(疣贅,弁輪部膿瘍など),基礎疾患の診断(弁膜症や先天性心疾患),感染による新たな血行動態上の変化,塞栓症のリスク(疣贅の大きさ,付着部位,形状など)などを診断する.画像診断上の特徴ある所見について,鑑別上問題となる点などを踏まえて述べてみる.
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