今月の主題 サイトカイン・ケモカイン
話題
フラクタルカイン
梅原 久範
1
,
米田 修
1
,
堂前 尚親
2
Hisanori UMEHARA
1
,
Osamu YONEDA
1
,
Naochika DOMAE
2
1大阪歯科大学内科学講座
2大阪歯科大学病院
キーワード:
ケモカイン
,
フラクタルカイン
,
細胞接着
,
NK細胞
,
内皮細胞
Keyword:
ケモカイン
,
フラクタルカイン
,
細胞接着
,
NK細胞
,
内皮細胞
pp.73-76
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904669
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1.はじめに
急性および慢性の感染症,自己免疫疾患,アレルギー性疾患などの炎症性疾患では,T細胞やマクロファージを中心とするリンパ系細胞の集簇的浸潤が認められる.また,腫瘍周囲や移植臓器拒絶片においても同様の細胞浸潤が認められる.近年,接着分子やケモカインに関する膨大な研究成果によって,免疫担当細胞の流血中から組織中への移行のメカニズムが急速に解明されつつある.新たに発見されたフラクタルカインは,活性化血管内皮細胞上に発現しケモカインとしての遊走活性と接着分子としての機能を合わせ持つユニークなケモカインである1~3).本稿では接着性ケモカインであるフラクタルカインについてわれわれの最新の結果を交えながら紹介し,臨床上の疾患との関連について概説したい.
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