特集 細胞診―21世紀への展望
第1章 細胞診―現状の問題点と今後の方向性
3.陰性症例判定への医師のかかわり
根本 則道
1
Norimichi NEMOTO
1
1日本大学医学部病理学
pp.1173-1176
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904525
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はじめに
細胞診における陰性症例判定への医師のかかわりを述べる前に,細胞診の今日的意義について整理する必要がある(なお,詳細は本章1.医療における位置づけを参照).今日,医療現場における病理診断に占める細胞診の重要性については,改めて述べる必要はないと思われる.とりわけ,超音波エコーないしCTガイド下の穿刺吸引細胞診や内視鏡直視下のねらい撃ち(狙撃)擦過細胞診などの普及は,従来のスクリーニングによる病変の存在を探る細胞診の目的から,既に局在が確認されている病変の質的診断へと変化してきている.そして,細胞診の報告書は単なる検査結果ではなく,医師(主として病理医)の責任でなされる医療判断をするうえで必要な専門的医療情報であることを診断に携わる医師はもちろんのこと,細胞検査士も十分に認識する必要がある.
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