特集 細胞診―21世紀への展望
巻頭言
ポスト・パパニコロウの時代
坂本 穆彦
1
Atsuhiko SAKAMOTO
1
1杏林大学医学部病理学
pp.1161-1162
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904522
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細胞診とパパニコロウとは切っても切れない縁で強く結ばれてきました.何よりも,Papanicolaou自身は細胞診の創始者とされておりますし,氏の考察によるとされるパパニコロウ染色は染色法のスタンダードとして種々の変法を交えつつも今日なお広く用いられています.さらにパパニコロウ・クラス分類はわが国では津々浦々まで浸透し,日常診療に定着しております.細胞診の判定報告書にこのクラス分類を記載する欄が印刷していない施設を探すことはなかなか難しいものと思われます.
細胞診を語るキーワードとしてはスクリーニングも外せません.病変,特に癌の有無をチェックする簡便な検査手法としての面が,細胞診普及の根底にあったことは間違いないと思われます.癌検診における細胞診の貢献は細胞診の意義を語るうえでの重要なポイントであり,ここではスクリーニングとしての機能が十二分に評価されてきました.
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